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おとなのジャズとおとなのオーディオ |
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VOL.34 |
東北の南にA市という街がある。 その街に老舗のO電気店がある。 これは、その店でオーディオの販売をしている男のつぶやきとささやきとひとり言である。 | |||||||||||||||||
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ワンホーン・ジャズの |
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みなさんこんにちは。お変わりありませんか。ゴールデン・ウィークはどうして過ごしました?日本経済が危ないなんてi言う方がいますが、そんなことは決してありません。だって、あれだけ海外へ出かける方がいるんですからまだ余裕があると思いますよ。さあ、今月末からはいよいよワールドカップが始まります。出来るだけ大きな画面で楽しみましょう。50インチのプラズマTVがあったらベストだなあ。私も欲しい。 私は東京で知人の娘さんの婚礼があって、そのついでに富士山の周辺をグルッとまわってきました。白糸の滝、朝霧高原、忍野八海、河口湖などです。白糸の滝、忍野八海では富士山からの伏流水にびっくりしてきました。もう一つびっくりしたのが忍野八海です。写真から受けた静かな田舎のイメージがあったんですが、すっかり外れて、ヒト、ヒト、ヒトの観光地で疲れました。でかけるときは平日がいいですね。 さあ、疲れたときはジャズで癒しましょう。今回は、ホンマもんのジャズです。アルバム名「ザ・ミーティング」。ヨーロッパのジャズの宝庫ステープル・チェスから発売されています。1973年デンマークはコペンハーゲンのジャズクラブ、”モンマルトル”でデクスター・ゴードンとジャッキー・マクリーンとの共演が行われました。二人ともジャズの本道を行くハード・バップのジャズ・サックス・プレーヤーです。そのライブアルバムです。 デクスターはサックスでもテナーを、ジャッキーはアルトを吹いています。ジャッキーはデクスターのサックスを聴いてジャズ・プレーヤーを目指したというだけに、七つ年下です。サックスといえばジャズでは必ずチャーリー・パーカーが出てくるんですが、もちろんこの二人にとっても例外ではありませんでした。パーカーには大きな影響を受けました。 しかしその二人の演奏形態には大きな違いがあります。デクスター・ゴードンは豪快なブローでボーボーと吹くところは、一聴すると抑揚が無いように取れますが、いかにも男のジャズといったところがあります。一方、ジャッキー・マクリーンにおいては、甘くメロディアスな演奏でよく吹きまくり、泣いちゃうぐらいによく歌うんです。対照的にこれまた魅力でもあるのです。このアルバムにおいては、この二人のダイアローグ、とでもいうのかな、熱い対話が交わされます。 サイドもいいメンバーです。ケニー・ドリュー(p)、ニールス・ペデルセン(b)、アレックス・リール(ds)と、なっています。1曲目です。「オール・クリーン」。ピアノのイントロから始まって、すぐにデクスター・ゴードンのノリのいいテナーのアドリブへ、そして、ジャッキー・マクリーンの声たかだかなアルトと入っていき、そこにケニー・ドリューの軽快なピアノ、さらにニールス・ペデルセンのリズミックなベースです。そして再び二人のコラボレーションで一気にカデンツアへと。もうこの初めの曲から熱くなってしまい自然に体が動いてしまいます。 2曲目は「リュー・ドウー・ラ・アルプ」意味はよくわかりませんが、「通り」を指すみたいです。ジャッキー・マクリーンのアルトがすごく歌っています。さすがバッパー。彼のソロパートが済むとこんどはデクスター・ゴードンです。これまた負けずと太いブローを繰り出していきます。ジャズの演奏ではピアノトリオ+1ホーンもいいですが、このような2ホーンによるバトルはスリリングなところがあって、これまたこたえられません。ライブの会場の熱い空気が伝わってきます。 4曲目の「サンセット」は二人によるバラードです。ジャッキーマクリーンの甘くきれいな音色がぴったりです。デクスターゴードンもこれまた体に似合わず、せつない音色で奏でています。 そして最後の「オン・ザ・トレイル」。”山道をいく”という邦題がついています。ジャッキーの力強いアルトから入っていき、デクスターへとつないでいきます。時間とともに演奏もホットになっていき、本当に聴き応えのあるすばらしいライブ・アルバムになっています。しかし、アルトとテナー、どっちがいいかなんてとてもいえない。低次元なことは簡単に超越してしまう二人です。それと、ケニー・ドリューのピアノなんですが以外に淡々とした演奏でこれが二人を浮きあがらせているのかもしれない。 次のアルバムです。 「GO! DEXTER GORDON」 1962年、ブルーノートからのアルバムです。2メートル近い体型のデクスター・ゴードンが演奏する「チーズ・ケーキ」。 このタイトルとのギャップがなんともいえません。しかし、聴いてください。哀愁のあるせつないメロディーを持つ、この曲を聴くとジャズっていいなあ、と必ず思うはずです。ハード・バップの名盤です。ジャズにおいてもメロディーのある演奏を聴くとなぜか心が和みます。レア・チーズ・ケーキだこの曲は。この1曲だけでも聴く価値は十分ありです。 彼はこれ以降もたびたびこの曲を演奏しています。2曲目の「アイ・ゲス・アイル・ハング・マイ・ティアーズ・アウト・トゥ・ドライ」、舌をかみそうな長い曲名である。意味がよくわからない。が、しかし、いいバラードです。じっくりと聴かしてくれます。おなじみの「ラブ・フォー・セール」は、ソニークラークの弾むようなピアノとともに、軽やかにアップテンポで進んでいきます。最後の「スリー・オクロック・イン・ザ・モーニング」はソニー・クラークの時を告げるメロディーで終わります。 ソニー・クラーク(p)、ブッチ・ウオーレン(b)、ビリー・ヒギンス(ds) ジャッキー・マクリーンがスタンダードをやるとこうなる、というのがこのアルバムだ。アルバム名は「スイング・スワング・スインギン」。全編これマクリーン節、花盛り。本当によく張り切って、よく歌っています。1959年のワン・ホーン・カルテット・アルバムです。 「ホワッツ・ニュー」のしっとりとした演奏から2曲目の「レッツ・フェイス・ザ・ミュージック・アンド・ダンス」は、ガラット変わりスピードのある演奏に変わります。印象的なフレーズで始まり途中からピアノの軽快なソロを交えながら再び印象的なフレーズで終わります。3曲目の「スティープルメイツ」においてはかなり力の入った演奏が聴かれます。 以下、「アイ・リメンバー・ユー」「アイ・ラブ・ユー」「アイルテイク・ロマンス」「116丁目レノックス街」と続きます。息つくひまも無いという形容詞がぴったりの全編これベスト・バップ・ジャズだ。ビリーホリディーへのトリビュート・アルバムであるマル・ウォルドロンとの「レフト・アローン」で感動させてくれて、マクリーンの歌い上げるところは本当にすばらしいものがあります。70歳を過ぎた現在でもなお現役、モダン・ジャズのシーラカンスだ。 再びデクスターゴードンです。われわれ団塊のおじさんたちにとっては、ハードバップじゃないとジャズじゃない、かつて、こんな強硬論が飛び出したのは、彼らゴードンやマクリーンの洗礼があったからなんです。 別に、50年60年代ジャズ礼賛論でもなく、50年60年代ジャズ症候群でもないんですが、彼らの演奏を聴くとなぜかほっとしてしまいます。次のアルバムは「ゲッティン・アラウンド」です。アメリカでは1950年代の終わりごろ、人種差別の嵐が吹きました。ジャズの世界においても例外ではありません。多くの黒人ジャズプレーヤーがヨーロッパに避難するように渡っています。 デクスターゴードンも1962年にヨーロッパ・ツアーでパリに行き、そこから、そのままデンマークのコペンハーゲンに住むようになってしまいました。1976年に本国に帰るまで、なんと14年もいたのです。その間に何回かはアメリカに帰ったりはしたんです。その一時帰郷した1965年のときに吹き込んだのがこのアルバムです。 このアルバムの目玉はなんたって「黒いオルフェ」です。1960年代初めの世界的なボサノバ・ブームがありました。なかでもルイス・ボンファのつくった映画の主題歌「黒いオルフェ」は世界的な大ヒットとなりました。ゆったりとしたボサノバのリズムで、そして原曲に近い形で歌い上げています。1965年の録音です。サイドのバイブのボビー・ハッチャーマン、ドラムスのビリー・ヒギンス、そしてピアノのバリー・ハリス、ボブ・クランショーのべースも好サポートです。なんと私はこのアルバムを持っているのを忘れてしまい再び買ってしまったのだ。 こんどはジャッキー・マクリーンです。まだブルーノートに移る前にプレステージでの録音からです。アルバム名「4,5&6」。なんとこのアルバムではタイトルどおり、カルテット、クインテット、セクステットでのプレイが詰まっているのだ。1956年の録音。 カルテットでの演奏は「センチメンタル・ジャーニー」、「ホワイ・ワズ・アイ・ボーン」、「ホエン・アイ・フォール・イン・ラブ」とスタンダードが並び、マクリーンはグルーブ感あふれる見事なバッパーぶりを発揮、また、マル・ウォルドロンのこれまたスウィング感にあふれた見事なアドリブが聴けます。ジャッキーマクリーン(as)、マル・ウォルドロン(p)、ダグ・ワトキンス(b)、アート・ティーラー(ds)のメンバーとなっている。 クインテットによる演奏は「コンター」、「アブストラクション」の2曲が入っており、先ほどのメンバーにドナルド・バード(tp)が加わっての2ホーン構成となっています。「コンター」においては、80年代のケニー・ドリューには見られないハード・バップのつくりとなっています。アルトとトランペットの見事なまでのハード・バップでのハーモニーが聴きどころ。「アブストラクション」においては、マル・ウォルドロンの作曲でのじつにきれいなバラードとなっています。 そして、セクステットでの演奏はハンク・モブレイ(ts)が参加したチャーリー・パーカーの「コンファーメーション」。ここでのマクリーンは今までのとは違って限りなくチャーリー・パーカーに近い演奏を聴かせてくれます。このようにすごく変化にとんだ作りの楽しいアルバムになっています。バップ・ファン必携アルバムだ。 こんどはデクスター・ゴードンの番です。ゴードンといえば、このアルバムを紹介しなければなりません。「アワ・マン・イン・パリ」です。1963年の作品です。 先にパリに行っていたケニー・クラークを頼ってパリに行ったゴードンはバド・パウエルたちとクラブで演奏しはじめました。芸術の都市というだけあってパリはジャズを芸術とみなしてくれたんでしょうね。本国のアメリカではそうはいかなかったのです。このような気分的なこともあったのかこのアルバムでのゴードンは輝いています。テナーがアルトにまたバス・テナーみたいになるほどの、ものすごいブローを見せてくれています。 曲の紹介です。「スクラップル・フロム・ジ・アップル」、「ウィロー・ウィーブ・フォー・ミー」、「ブロード・ウェイ」、「スタイアーウェイ・トー・ザ・スター」、「チェニジアの夜」。メンバーはゴードン以外にバド・パウエル(p)、ピエール・ミシュロ(b)、ケニー・クラーク(ds)となっている。 ゴードンはどちらかというと「スタイアーウェイ・トーザ・スター」みたいなスローなバラードよりは、やや速いテンポの方がはるかにいい。特に「スクラップル・フロム・ジ・アップル」、「ブロードウェイ」におけるアドリブのフレーズにおいてはノリにのって、聴いているものを圧倒する。これぞワンホーン・ハード・バップ。必聴モンです。惜しくも彼は1990年に亡くなっています。 さて、今回のページも残り少なくなってきました。ラストに紹介するのはジャッキー・マクリーンがブルーノートに残した最後のアルバム「デモンズ・ダンス」。1967年12月の作品です。パーソネルはジャッキーマクリーン(as)、ウッディ・ショウ(tp)、ラモント・ジョンソン(p)、スコット・ホルト(b)、ジャック・デジョネット(ds)となっています。 この年の5月にジャズ・ジャイアンツのジョン・コルトレーンが亡くなっています。アルバムの最後の曲に「メッセージ・フロム・トレーン」とあり、コルトレーンへの追悼アルバムにもなっています。又、彼マクリーンはこのアルバムを最後に5年間ほど録音活動をしませんでした。これには、いろいろな訳があったでしょうが、ジャズの形態もフリー・ジャズ、エレクトリック・ジャズとだいぶ変化の兆しが見え始めていたときでした。ジャッキー自身もフリー・ジャズに入り込んだほどですが、このアルバムでは今まで同様なバップ演奏になっています。 マクリーンのオリジナルになる「デモンズ・ダンス」から始まりバラードの「トイ・ランド」、ウッディ・ショウが妻に贈ったという「ブー・アンズ・グランド」、そしてマクリーン得意のメロディアスな曲でハイスピードの演奏が聴かれる「スウィート・ラブ・オブ・マイン」、これもやはりスピードのありスリリングな演奏の「フルーゲ」となっている。 さて、今回はハード・バップの超一流アーチスト特集として主に50〜60年代のデクスター・ゴードンとジャッキー・マクリーンを紹介してきました。いかがだったでしょうか。ジャズがジャズとして光り輝いていたとき、アーチストも輝いていました。ジャズというジャンルの垣根がなくなりつつある現在、これらの作品はジャズの永遠の財産です。 2002.5
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