| さて、ここでクラフトの話はいったん一休み。1枚聴きましょう。BGMでもいいでしょう。なぜかといえばコンピレ・アルバムからです。皆さんも良くご存知かと思います、コルトレーンの「ジョン・コルトレーン/ジャズ・ミレニアム」からです。このコンピレ・アルバムにはオリジナル・アルバム10枚からのピックアップです。特にこのアルバムは絶対夜にじっくりと聴くのがいい。バラードのスタンダードが多く取り上げられているからです。
1曲目は「ザ・ラスト・トレーン」からスタンダードで「降っても晴れても」です。1946年のミュージカルでセントルイス・ウーマンというのがあったそうです。(すみません、まだ生まれてなかった)その中の挿入歌としてジョニー・マーサー(作詞)とハロルド・アーレン(作曲)のコンビで作られたそうです。
初めのバースから特徴あるやや高い音階でのコルトレーンのテーマ演奏で始まる。一気に3分半ほど吹きまくるところが聴きどころでもあります。小節の終わりのところはププププと早いアレンジで吹くのが特徴です。そのあとはレッド・ガーランドのミドルテンポでのピアノが入ります。
このピアノが入ることによって、今までサックスの演奏でやや張りつめていたテンションがちょっと緩むような感じになり、そして次がドナルド・バードのトランペットと続きます。このホーンが交代で繰り出しピアノが途中ではいるところが、このアルバムの緩急自在の変化のある聴いていて楽しめる演奏となっています。ベースがポール・チェンバース、ドラムスがルイ・ヘイズで録音はヴァン・ゲルダーです。1958年のアルバム。
さあ、次もスタンダードです。「コルトレーン」から「コートにすみれを」です。このアルバムはコルトレーンの独壇場だ。ピアノに導かれて、コルトレーンがゆったりときれいに華麗に、そして繊細感豊かに聴かせてくれます。スイング・ジャーナル的な表現だと脱帽もんです。レッド・ガーランドのピアノも負けずにゆったりとスイングしてくれます。ベースはポール・チェンバース、ドラムスがアルバート・ヒースといったメンバーです。1958年のヴァン・ゲルダーの録音。
そして次もスタンダードです「ライブ・アット・ヴィレッジ・ヴァンガード」から「朝日の如くさわやかに」です。ライブでソプラノ・サックスを使用した熱いプレイを聴くことができます。途中からはかなり複雑な演奏に入っていきます。最後はテーマに戻って終了。
そして、またまたじっくりと聴かせてくれるのが「デューク・エリントン&ジョン・コルトレーン」からエリントンの曲で「イン・ア・センチメンタル・ムード」。この人たちのために、この曲があるんではないかと思われるぐらいにぴったりと息の合った演奏が聴けるのです。エリントンのきれいなピアノから始まりすぐにコルトレーンのなめらかさがたまらない音色で感性豊かな演奏が入っていく。何も言うことない、ただ聴いてくれ、このすばらしいバラードを。1962年の録音です。
こんな感じでこのアルバムは続いていくのです。バラードだけでは飽きられてしまいます、そこで出てくるのが「インプレッション」から、そのタイトル曲です。1961年のヴィレッジ・ヴァンガードでのライブです。ここではかなりハードで熱いソロ演奏を聴くことができます。それも半端じゃない、一晩中続くんではないかと思えるような長い長いソロです。マウスピースをくわえた口の端の方からつばがだらだらと流れ落ちているような凄さだ。聴き終わったあと思わずため息が出てしまった。
このほかにあと5枚のアルバムからのピックアップとなっている。誰だ、こんな選曲をしたのは。BGMで聴こうと思っていたのが最後までじっくりと聴きこんでしまったではないか。コルトレーンがしっかりとわかるように吹いていた時代のベストだ。
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