おとなのジャズとおとなのオーディオ

土湯峠にある野地温泉の白濁した硫黄泉に入ると2〜3日間ぐらい温泉の匂いが体につき効き目が持続するように感じる。その帰り道、逆光に輝く黄葉がすごくきれいだった。
(クリックすると大きくなります)

東北の南にA市という街がある。 その街にジャズとオーディオと酒の好きな男がいた。 これは、その男のつぶやきとささやきとひとり言である。

VOL.57

秋はジャズとクラフト・オーディオだ!



まもなく

このアルバムは必ず買わないと!

------------------

 

スピーカーユニットといってまだまだ手に入ります。

大きく分けると、ボーカルなんかのほぼ中音域を主に再生するフルレンジユニット、またはスコーカーユニット。

低音をおもに再生するウーハーユニット。

高音域を受け持つトィーターがある。

(資料)fostex

みなさんこんにちは、お変わりありませんか?秋たけなわです、どこかお出かけにはなりましたか?
先日は富士通コンコード・ジャズ・コンサートがあり、聴きに行ってきました。え、アーチストは誰かって?ホーンです、それも2ホーンです。スコット・ハミルトン(ts)、ハリー・アレン(ts)、それにフィーチャリングがリズムギターで有名なバッキー・ピザレリ、ピアノがジョン・パンチ、ベースがジョン・ウェッパー、そしてドラムがジェイク・ハナというメンバーでした。

ハリー・アレンは、この前まではもっぱらボサノバのアルバムをリリースしていたのだが、今回はベテランを中心にした本格的なスウィングジャズだ。もともとハリー・アレンはボサノバよりはスコット・ハミルトン同様スウィング・ジャズのほうがあっていると思うんですごく期待していきました。またメンバーとも旧知の仲ですのでなおさらです。

フルメンバーで軽快な曲から始まったコンサートです。今年出したアルバムはあいにく手に入れておかなかったので曲の詳細はわからなかったが、全部で11曲ほど演奏があった。二人のユニゾンでのスタートあり、交代でのソロあり、バッキー・ピザレリの、ノリノリ・ギターソロがあったりとご機嫌なコンサートでした。

スコット・ハミルトンのサックスは深々とした音色で太く朗々としたブロー(最近はこのようなサックスが少ない)、ハリー・アレンはそれに比べると少しスリムでスピード感のある演奏が耳に残りました。富士通の工場が地元にあるので毎年コンサートが開催されありがたいものです。これからも息永く続けていただきたいものである。


さて、今日はオーディオ・クラフトの話題です。オーディオが大好きな方はすぐに思いつくと思います。どこにもない、誰も持っていない、オーディオメーカーでさえ手を出さない、自分だけのオリジナルのスピーカーや真空管アンプを作るお話しです。

え?いまどきスピーカーやアンプを自作するんですか?そんなめんどくさいことをするんですか?買ったほうが安く手に入るんじゃないんですか?そうです、すべてごもっともです、確かにおっしゃるとおりです。

しかし、だからこそ作るんです、物がありふれているときだからこそ時間を割いて苦労して作るんです。現在の日本は海外で安く作って、安く販売するものしか店頭には並ばなくなってしまった。こだわりのものなんて作ってもほんの一部の人々にしか売れない。食べものもしかり、純国産の原料ものは50パーセントにも満たなくなってきている、クルマも外観のプレスと社内の演出だけ変え車種を別にして販売しているし、オーディオ機器も5〜7割は、中国や東南アジア製が占めているんだ。もう少し遊びと余裕を持ってスローライフで人生を楽しめばいいんだ。

もちろんすべての方にそうしたら?なんて言ってはいないし興味のある方だけでいいんです。スピーカーぐらいは以外に簡単に作れちゃうんじゃないかな。え?材料がない?東京の秋葉原や大阪の日本橋に行かないと売っていない?う〜ん、それは困った。その地域以外の方は本当に困ってしまいますね。いいえ、いい手があるんです。ネットです、インターネットですとまだまだ捨てたもんじゃない。取り扱っているお店はいっぱいあるし、価格も安いし、意外と簡単に手に入るんです。

高さが約50cm幅が約30cmこれぐらいがかんたん。ボーカルがすなおにでる。入っているのは16cmフルレンジユニット。
これはエンクロージャー(箱)の素材が桐の板で作られていてすごく軽い。響きがいい。ボーカルやBGMによく似合う。入っているのはフルレンジユニット。 う〜ん、これは、ちと難しい。ジグソーという工具で板を切っていき重ね合わせたものでハード・クラフトだ。入っているのは高音用のトィーター。

さて、ここでクラフトの話はいったん一休み。1枚聴きましょう。BGMでもいいでしょう。なぜかといえばコンピレ・アルバムからです。皆さんも良くご存知かと思います、コルトレーンの「ジョン・コルトレーン/ジャズ・ミレニアム」からです。このコンピレ・アルバムにはオリジナル・アルバム10枚からのピックアップです。特にこのアルバムは絶対夜にじっくりと聴くのがいい。バラードのスタンダードが多く取り上げられているからです。

1曲目は「ザ・ラスト・トレーン」からスタンダードで「降っても晴れても」です。1946年のミュージカルでセントルイス・ウーマンというのがあったそうです。(すみません、まだ生まれてなかった)その中の挿入歌としてジョニー・マーサー(作詞)とハロルド・アーレン(作曲)のコンビで作られたそうです。

初めのバースから特徴あるやや高い音階でのコルトレーンのテーマ演奏で始まる。一気に3分半ほど吹きまくるところが聴きどころでもあります。小節の終わりのところはププププと早いアレンジで吹くのが特徴です。そのあとはレッド・ガーランドのミドルテンポでのピアノが入ります。

このピアノが入ることによって、今までサックスの演奏でやや張りつめていたテンションがちょっと緩むような感じになり、そして次がドナルド・バードのトランペットと続きます。このホーンが交代で繰り出しピアノが途中ではいるところが、このアルバムの緩急自在の変化のある聴いていて楽しめる演奏となっています。ベースがポール・チェンバース、ドラムスがルイ・ヘイズで録音はヴァン・ゲルダーです。1958年のアルバム。

さあ、次もスタンダードです。「コルトレーン」から「コートにすみれを」です。このアルバムはコルトレーンの独壇場だ。ピアノに導かれて、コルトレーンがゆったりときれいに華麗に、そして繊細感豊かに聴かせてくれます。スイング・ジャーナル的な表現だと脱帽もんです。レッド・ガーランドのピアノも負けずにゆったりとスイングしてくれます。ベースはポール・チェンバース、ドラムスがアルバート・ヒースといったメンバーです。1958年のヴァン・ゲルダーの録音。

そして次もスタンダードです「ライブ・アット・ヴィレッジ・ヴァンガード」から「朝日の如くさわやかに」です。ライブでソプラノ・サックスを使用した熱いプレイを聴くことができます。途中からはかなり複雑な演奏に入っていきます。最後はテーマに戻って終了。

そして、またまたじっくりと聴かせてくれるのが「デューク・エリントン&ジョン・コルトレーン」からエリントンの曲で「イン・ア・センチメンタル・ムード」。この人たちのために、この曲があるんではないかと思われるぐらいにぴったりと息の合った演奏が聴けるのです。エリントンのきれいなピアノから始まりすぐにコルトレーンのなめらかさがたまらない音色で感性豊かな演奏が入っていく。何も言うことない、ただ聴いてくれ、このすばらしいバラードを。1962年の録音です。

こんな感じでこのアルバムは続いていくのです。バラードだけでは飽きられてしまいます、そこで出てくるのが「インプレッション」から、そのタイトル曲です。1961年のヴィレッジ・ヴァンガードでのライブです。ここではかなりハードで熱いソロ演奏を聴くことができます。それも半端じゃない、一晩中続くんではないかと思えるような長い長いソロです。マウスピースをくわえた口の端の方からつばがだらだらと流れ落ちているような凄さだ。聴き終わったあと思わずため息が出てしまった。

このほかにあと5枚のアルバムからのピックアップとなっている。誰だ、こんな選曲をしたのは。BGMで聴こうと思っていたのが最後までじっくりと聴きこんでしまったではないか。コルトレーンがしっかりとわかるように吹いていた時代のベストだ。

それじゃ、クラフト・オーディオでどんなスピーカーやアンプを作っているのかを紹介していきましょう。形や音に作った方の個性が出てきますので楽しいものです。完成しても1ヶ月ぐらいはエージングと称して鳴らしこむとなじんできて音の荒さが取れ聴きやすくなっていきます。

    

    

    
お亡くなりましたが、かつてクラフト・オーディオの世界には教祖様がいらしました。長岡鉄男氏です。
この方の作る自作スピーカーはユニークかつ半端じゃないものが多く、影響を受けた方もたくさんいらっしゃいます。

その代表作がこのスピーカーです。「スワン」と名づけられバージョンもいくつかありました。10cmほどの小さい口径のスピーカーユニットから出る音とは思えない低音の迫力があります。
オーディオクラフトの定番となっているバックロードホーン型スピーカー。スピーカーユニットの後ろから出る音を利用して低音を出そうというスピーカーです。

基本的な設計は同じですが、形の大小やさまざまな工夫を凝らした形で星の数ほど発表されています。構造はスピーカー・ユニットの後ろから音道を徐々に広げていくコンスタント・ワイズの幅が一定で高さが変化する四角なホーンになっています。

ここまで来るとメーカー製も真っ青?

 

 

かつてありました、ALTECタイプのホーン型のスピーカーです。どちらかというとオリジナルはPAに使うことを目的に作られたんでしょうが、30数年前まではジャズファンの間では人気のあったスピーカーです。これにヒントを得て自分の好みに製作されたスピーカーです。塗装や細かな概観の仕上げも決め手になっています。

これは、B&Wから発売されたノーチラスをヒントに自作されたスピーカーです。合板をジグソーで1枚1枚切り抜き、それを張り合わせて作られています。ユニットは20cmと10cmのフルレンジを使用しています。ホーンロードがかかるようになっていて後ろ側に抜けるようになっています。総重量はなんと70kgほどになっています。エンクロージャーは塗装仕上げ。高能率でハイスピードのサウンドだ。 このスピーカーも左のスピーカー同様、合板をジグソーで1枚1枚切り抜き、それを積み重ねて作られています。上部にはこれまた強力なホーンタイプのトィーターがあり3ウェイ構成。クロスオーバー・ネットワークは別置きになっています。エンクロージャーはバスレフ・タイプで突き板仕上げの力作。

クラフト・オーディオのハイエンドシステム

アキュフェーズ(株)元社長で故・出原真澄氏のウーハー部のLchのシステム。低音部は46cmのユニットを2個、ミッド・バスには38cmのユニットを使用していた。この他に76cmのスパーウーハー部があるんですがLchとRchの間にあってユニットを下向きに取り付けていた。重厚長大を実践されクラフトの王道を歩んだ方だ。

ドライブは帯域ごとにパワーアンプを5台使用したマルチチャンネルで、リアル&ハイスピードで圧倒的な迫力があった。オーディオ業界は実に惜しい方を亡くしてしまった。

 

                       

アキュフェーズ(株)会長、春日二郎氏の15年ほど前のLchのウーハー部システム。TADの38cmユニットTL-1601を4個使用。ミッドとハイはゴトーホーン・ユニットでスーパーウーハーは80cmのユニットを1発使用していた。

現在は再度製作し直し、ウーハーユニットをアルテックのユニットに変更してスピード感を上げている。フロント・バッフルの厚みはなんと40mmである。リアルさとともに深々としたサウンドステージでクラシックを長時間堪能できた。

こんなに楽しい素敵なスピーカーもあります。

オーディオ専門誌にも登場したことのある自作スピーカー。デザインはヨーロッパの教会をモチーフに製作されたそうです。

L側R側が並んでおいてあります。下のセンター部にウーハー部があり、上部に中音部と高音部があります。ウーハー部と中高音部は分割構造になっています。室内のインテリアとしても配慮されていて、見ているだけでもすごく楽しいスピーカーだ。

城の塔部は角材を丸く仕上げ、円錐部はヒノキを使い香りがいい。材料をふんだんに使って精緻にデザイン仕上げ加工された、アマチュアならではの実に楽しいスピーカーだ。

スピーカーユニット製作教室


  スピーカーを知るにはまずユニットそのものを理解しよう。

そんなことからユニットメーカーの協力で行われたスピーカーユニット製作風景。みんな慎重・真剣そのものです。これぐらい普段のお仕事にも取り組んでくれたらいいのに!

ある面ではスピーカーユニットの歴史はコーン紙と接着剤の進化と接着技術の向上でもあります。

参加者全員無事に音だしも済んでよかった、よかった。

自作・真空管アンプだけでも広い世界があるのです。

      

     

TOCJ-68060

ここで一服です。話も堅いし、ハードのことばかりでしたので頭を少々やわらかくしましょう。寺井尚子さんの新しいアルバムから「ジャズ・ワルツ」です。美人は得をするといいますが、つい買ってしまうのです。次々と出していくアルバムの内容には苦労するようです。

音楽性ばかりを重視したものですと、手を出しにくくなったり、かといって、商業ベースを考えての企画物だと白い目で見られたりといろいろあるようです。あ、これは別に彼女のことを言っているんではありませんよ、世の中一般にあることについていっただけですから。

オーディオ製品だってそうなんですから。あまりマニアックですと一般の方からは敬遠されるし、かといって、あまりにも安易な物づくりですと、商売に走っているとかいわれます。結局、やはり個性と品質が大事かもしれません。

話が横道に行ってしまいました。バイオリン・ジャズとワルツの融合とでも申しましょうか、リラックスして聴いてみてください。タイトルにもなっている「ジャズ・ワルツ」なんて、大正ロマンか昭和ロマンかとでも表現したい竹久夢二の世界を彷彿させられます。つぎの「アパッショナータ〜情熱」、曲名どおり情熱はパッションです。始まりは演歌の世界に感じるんですが中盤からピアノとともにグット盛り上がってきます。これは彼女のオリジナルです。

「ダニー・ボーイ」、歌唱力があるとアカペラでよく聴かれる歌です。優哀に満ちた演奏だ。「ラグな気分で」、楽しいステップを踏むような感じでの楽しい曲です。だが、演奏的にはかなりテンションの張った曲でもあります。「魅惑のワルツ」、ピチカートで始まる意外性を持った演奏。バイオリンでのあとはピアノによるテーマの演奏と変化を持たしている。

「貴婦人のタンゴ」、北島さんというピアニストのオリジナルだそうです。導入部からしてすごくロマンチックでだんだん盛り上がっていくところがすごく映画チックだし、タンゴにふさわしくなかなか色香のある演奏です。「風に舞う」、ジョー・サンプルのカバーか?と思ったら、この曲も北島さんという方のオリジナルだそうです。

「砂の記憶」、彼女のオリジナルです。なぜか映画「野麦峠」を思い出してしまった。バイオリン独特の憂いを持った音色とメロディーがそうさせたのだろう。遠い昔の若かったころとかセピア色になってしまった自分だけの思い出がよみがえってきそう。題名どおりの曲だ。途中のピアノ・ソロがさらに思いを募らせる。ちょっと落ち込んでしまった。

さあ、次はガラッと変わり明るく「「ヒット・アンド・アウェイ」。ここではスイングするハイテクニック・ギターがすごく魅力だ、バイオリンもはつらつプレイ。ほかにジョージ・ハリスンの「アイ・ミー・マイン」、アルバム・オリジナルの「チルドレン」は印象的なメロディーのリフレクションがすごく印象に残ります。カルテット構成で何でもありの楽しいアルバムです。とくにピアノの北島さんのオリジナルには感心してしまいました。

真空管アンプ・キット製作教室

キットでも組み立て順序や配線の引き回し、アースの落とし方などがアンプを理解するうえでおおいに参考になります。何よりうれしいのが自分で作ったアンプとなると愛着もひとしおです。線材の加工や半田付けは自分なりの技術の結晶です。

すべての組み立て配線が終わり、もう一度間違いがないかどうか確かめます。そしていよいよ電源を入れるときがきます。このときの気持ちは、誰もが胸はドキドキです。

そして音が出た瞬間、ヤッタ!の感嘆詞が出ます。

2003.11

記載に誤りがあった場合はご容赦ください。またご指摘ください。

 

目次へ戻る

おとなのジャズとおとなのオーディオ 表紙へ