おとなのジャズとおとなのオーディオ

 

 

東北の南にA市という街がある。 その街にジャズとオーディオと酒の好きな男がいた。 これは、その男のつぶやきとささやきとひとり言である。

VOL.64

アナログレコードをいい音で楽しもう ・・・・・・・VOL.3

モノラルレコードを楽しむ。

みなさん、お変わりありませんか。ご無沙汰しました。久しぶりのアップです。ことしは、どうゆうわけかアナログレコードプレーヤーに人気があるようです。アナログレコードファンが増えることはいいことです、前のページでも書きましたが、セットアップさえきちんとやれば、SACDさえ凌駕するほどのサウンドと音楽が楽しめるのです。

今日は、アナログレコードの中でも、モノラル・レコードを楽しんでみます。 モノラルレコードはもちろんステレオ・カートリッジでも楽しめますが、モノラル専用カートリッジを使用しますと歌が、演奏がさらに生き生きと躍動感を持って楽しむことができるのです。

AT33MONO

CG-25Di

使用したモノラル・カートリッジは今年発売された、テクニカのAT33MONOとオルトフォンのCG-25Diです。両方とも新発売された昇圧トランスでテクニカのAT3000Tを使いました。

普通モノラルカートリッジは横振動に対応していますがAT33MONOは若干縦振動にも対応するようです。間違ってステレオ盤をかけてもダメージが出ないようです。ヘッドシェルは18gを使用しました。

音の出方ですが、オルトフォンのCG-25Diはこれぞエネルギー感あふれる骨太のモノラル・サウンドという感じです。ソフトによっては圧倒的な迫力のサウンドで楽しめる逸品です。EMTのOFD-25にも似ているようです。

一方、テクニカのAT33MONOは同じモノラルでもサウンドの狙いが違うみたいでCG-25Diほどのごつさはありませんが、太さの中に滑らかでいて艶のある音色は女性ボーカルには絶品です。今までもっと廉価のモノカートリッジもあったんですが、やっぱり新しいのに魅かれてしまいますね。

 


最近気に入ってよく聴いているアルバムです。オルトフォンのCG-25Diでイリノイ・ジャケの「SWINGS THE SHINGS」から「ハーレム・ノクターン」。

JBLのスピーカー「オリンパス」からは強烈な原寸大のサックスが聴かれる。ポピュラーな曲でややもするとムード音楽になってしまうところだがイリノイ・ジャケの演奏はメリハリがあり楽しく聴ける。オーディオ的快感もいっぱいで部屋の環境が許せばできるだけ大きな音で聴くのがいいと思います。

2本のステレオのままで再生したのですが、部屋の影響か、スピーカーの左右の干渉か、再生音のあるところで、混濁音や若干ピークが出るようです。今度は片側だけで聴いてみました。音圧は下がりますのでアンプのボリュームを2本のときと同じ音量まで上げます。

これだ!サックスのまとまりがすごくよく、音もすっきりと出てきて目の前で吹いているみたいだ。メロディーの抑揚の部分なんか鳥肌もんです。

彼のことはまったく知らずにいて、知人から紹介され、彼のサックスのとりこになってしまったのです。特にソロの部分においての豪快さやむせび泣くといわれるようなプレイには圧倒されます。近年発売されているスピーカーのドーム型のユニットからはこのような太いサウンドの再生は無理だろう。

1957年録音


次もサックスです。スピーカーの中域にドライバーユニット「375」が使用されているのでホーンの魅力は絶大です。デクスター・ゴードンの「ホット・アンド・クール」です。

国内盤です。オリジナル盤はとても手が出ません。しかし再生装置のほうでカバーすれば、何とかその盤の持つエッセンスは出せるのではないかと思って大音量で楽しんでいます。

このジャケットは、男らしさがでていていいですね。演奏が終わってからの一服のときかな?それともこれから演奏をはじめる前の気を落ち着かせているのかな?こんな想像を抱かせてくれる写真ですね。

有名な「クライ・ミー・ア・リバー」 。通常のステレオ・カートリッジで聴くと普通のサックスなのが、モノラルですとサックスが太く勢いが出てきて、これぞデクスター・ゴードンといいたくなるほどです。

1955年録音


今度はピアノです。オスカー・ピーターソン・トリオの来日公演盤です。「IN TOKYO ,1964」からです。 当時のジャズコンサートはほとんどがサンケイホールでしたので、そこはジャズの殿堂とか呼ばれていたそうです。

ライブ録音ながら、すばらしいサウンドで録音されています。「リュニオン・ブルース」から始まり「アット・ロング・ラスト・ラブ」「アイ・リメンバー・クリフォード」「バグス・グルーブ」「サテン・ドール」「トリクロティズム」「トゥーナイト」「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」・・・・・・と続き「自由への賛歌」で終わります。メンバーはオスカー・ピーターソン(p)、レイ・ブラウン(b)、エド・シグペン(ds)です。

カートリッジはこのアルバムではオルトフォンのCG-25Diが自分には合うみたいです。レイ・ブラウンのベースに躍動感が出ます。ドラムのシンバルの出方にメリハリが出ます。なんといってもピアノに躍動感が目いっぱい出てきます。ピーターソンの猛烈な速さで弾くピアノに存在感が出ます。
 

 

 

WE755A


女性ボーカルの定番。ペギー・リーの「ブラック・コーヒー」です。このアルバムはテクニカのAT33MONOで聴きました。1940年代から60年代と長きに渡って彼女は活躍しました。彼女はポピュラー・シンガーだ、いやジャズ・シンガーだ、なんて論争もあったようですが、そんなことはどうでもよろしい。聴いていて楽しく癒されればいいんです。 男性ボーカルでは、ペリー・コモやナット・キング・コールが活躍していたときです。

若干かすれたような、ハスキー声が色香ともなって、聴いているとなんともいえない幻想や想像が出てきます。「ブラック・コーヒー」は破局の歌なんだが、ゆったりしたメロディーは男のBGMだ。大体、男と女の関係が歌になれば、圧倒的に別れの歌が多いですね。演歌も然り 、オペラにも似ているとこがある。破局になってからの、うらみつらみやボタンのかけ違いが、詩になり歌になりやすのだろう。ハッピーなシーンは歌になりにくいんだろうな。

途中でスピーカーを替え、20cmスピーカーユニット、ウェスタン755Aがはいったスピーカーで聴いてみました。 このユニットは約60年前に登場したそうです。公共の場のアナウンスに使われたと思いますが、明瞭度はしっかりしていました。それを管球アンプで鳴らします。3ウェイなどの大型スピーカーで聴くよりボーカルに存在感が出てきます。

録音状態はそれほどでもないが、う〜ン、50年代のボーカルはぴったりはまるようだ。低域・高域をあまり欲張らずに声のおいしいところ、エッセンスが出てくるようだ。登場して50年近く経つスピーカーです。高音部の抜けも良く、明瞭度は充分です。

このような体験をすると、いったい現在のスピーカーはどうなってんだろう?なんてつい、思ってしまうのであります。あまりにも細かいところまで表現してしまって、ボーカルのおいしいエッセンスが出てこないのではないか?

しかし、現代のスピーカーは現代の録音のものを聴いてみるとやっぱり納得のいくものがあります。ビンテージものでは、無理があります。こうなってくるとソフトの録音された年代に合わせてステレオ・システムもいくつか欲しくなってきて当然ですね。ああ、趣味は、お金が、お金が・・・・・・・・。

1953年録音


次も女性ボーカルです。 歌に、なんて、つややかさ、しなやかな、やさしさがあるんだろう。録音にも中音域に厚みが出ていて、目をつぶっているとスピーカーのあるところで歌っているようだ。50年ほど前は、彼女の歌にメロメロになった男が数知れずいたに違いない。

現に今でさえぞっこんの男が周りにいくらでもいるのだから。そういっている自分でさえそうなんですから、なにをかいわんやですね。「アイ・シー・ユアー・フェース・ビフォアー・ミー」からこのアルバムは始まります。

あまりにも有名なドリス・デイの「デイ・バイ・ナイト」です。これがまた、ジャケットの写真がいいんだなあ。最近ジャケ買いがすっかり浸透し、ちょっと肌を露出させた女性ボーカルのアルバムの中古価格が高騰しているとか。分からないでもないが、やっぱり歌手と内容ですね。

オルトフォンのCG-25Diですと、声が硬質になってしまいます。テクニカのAT33MONOに変えて聴いてみました。こちらのほうが声に艶がのりグンと良くなります。スピーカーは「オリンパス」です。はじめが片側だけで聴いてみました。次に、2本つかって聴いてみます。2本のほうが音像は大きくなりますが、ゴージャスになりますね。あまりボリュームを大きくしない場合は2本でもいけますね。

 


このアルバムも誰もが知っているもので「レイ・ブライアント・トリオ」。プロローグはもの悲しいメロディーで始まる「ゴールデン・イヤリング」です。ピアノによる単純でブルーなメロディーが日本人の感性にもぴったり当てはまり、大ヒットしました。
1957年のアルバムです。かれは80歳近くなるんですが、現在も健在で、第一線で活躍しています。このアルバムはオルトフォンのCG-25Diで楽しみました。

彼はあまり激しい演奏よりは、切れのいいきれいなタッチで演奏していきます。ピーターソンと違って表面に出てくる華やかさを持っているピアニストではありませんが、代表するアルバムとしてぜひ持っていたい1枚です。

曲は「ゴールデン・イヤリング」のほかに「エンジェル・アイズ」「ブルース・チェンジス」「ジャンゴ」「ザ・スリル・イズ・ゴーン」「ダホード」・・・・・と続きます。

1957年録音

はじめてこのアルバムを見たときは、なんて暗いジャケットなんだ。中身も真っ暗か?なんて思ってしまったほどである。スタンケントン楽団の歌姫でボーカリストでクリス・コナーのアルバム「シングス・ララバイズ・フォー・ラヴァーズ」。

スローな歌で始まる「ラッシュライフ」から一気に聴いてしまいました。普段は忙しくしている毎日なので、このような歌を聴くと本当に癒されます。ハスキーな歌声からは、女性ボーカリストの中で圧倒的な人気があります。かく言う、自分も彼女の歌にはまってしまった一人になるのかもしれません。

1. Lush Life   2. Out Of This World   3. A Cottage For Sale   4. How Long Has This Been Going On
1 Goodbye    2. Stella By Starlight    3. Gone With The Wind   4. He's Coming Home
彼女のアルバムは、口を大きく開けたジャケットが多いんですが、このアルバムと対になったので「シングス・ララバイズ・オブ・バードランド」があります。こちらも続けてぜひ聴いて欲しいと思います。時がゆっくり、ゆったりと流れるようです。

1954年録音

 


もう一人女性ボーカルを聴いてみました。いつものくせで、これだ!となるとどんどん聴き込んでしまうんです。スタンケントン楽団のもう一人の歌姫、ジューン・クリスティです。前述したクリス・コナーの前の歌姫でした。アルバムは有名な「サムシン・クール」です。

穏やかな歌声で始まります。この出だしはドリスデイの出だしと似ています。現在の女性ボーカルですとインパクトのある1曲目となっているんですが、この時代は声の魅力で始まるようだ。当時は、ラジオが主体だったので、初めて聴いたときはどんな歌手なんだろう、この歌声は?こんな疑問符が生まれたのではないかと思ったりしながら、聴いていきました。

ジャケットの絵を見ながら、ふと、思ったのです。グラスに入ったドリンクの絵は何を意味するんだろう?ジャケットには「Like a long iced drink or a brisk sea breeze・・・・・・」と書いてありました。たぶん、このアルバムの内容ですね。

ところで、はじめは上のジャケットのアルバムを買ったのですが、あとで下のジャケットのアルバムを見つけました。ん、?、ん、?聴いてみても同じような感じで良く分かりません。ほほえむクリスティと違った形の飲み物の絵があります。ライナーノートを読んでみたらステレオ盤もあるとか。どなたかこの2枚のアルバムの違いとジャケットについて、教えてください。

普段は最近の女性ボーカルを聴くことが多いのですが、この1週間ひさしぶりで往年のフィメールボーカルを楽しみました。圧倒的な歌唱力に現在との違いがあるようです。また、録音状態も歌声のエッセンスが凝縮されて再生されるようです。

録音は1953年〜55年。
 

2007.11                          記載に誤りがあった場合はご容赦ください。またご指摘ください。

 

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