2010年は多くのアナログ・レコード関係の商品が発売され大いに盛り上がった年でした。その中での注目のカートリッジで約30年ぶりに登場したのがAC-5です。外観はかつてのモデルのデザインの面影があります。ヘッドシェルはZYXに取り付けてあります。
モーツァルトの弦楽四重奏を聴いてみました。左側にバイオリンの二人が前後し右側にビオラの二人が前後します。抜群の立体感です。みごとなホール感の再生とともに、このウィーンフィルのメンバーの演奏は意外に高域がきついところがあるんですがそのまま忠実に出してくれます。
キャノンボール・アダレイの「ノー・ホワット・アイミーン」ではビル・エバンスとコラボ
レ―ションがすごく良く再現されます。艶がありぬけのいいサックスとともにエバンスの抑えた演奏が目の前に展開します。「グッバイ」でのサックスの高音にかけての表現がすごく自然な感じで曲の持っている哀愁感が素晴らしく良く再現されます。
ダイアナクラールのパリでのライブでは、ノリのいいピアノでのバースから入りボーカルが目の前で歌いあげます。伸びやかで声の芯が出ていますね。この盤はライブながらすごくいい録音なのが実感できます。[「ラブ・シーンズ」では録音の良さと相まって生々しさのあるボーカルが眼前に現れ
、また、ラッセル・マローンのギターの音がこれまたいいですね。
「トリオ・ジーピー」ではブランフォード・マルサリスの吹きあげるものすごいサックスと迫力あるベースのブンブンのダイアローグ聴けます。太いサックスが目の前に出てきます。ベースはブウンブウンといわずブンブンです。大型スピーカーならではのオーディオ的魅力も出ます。
感じたのはキャラクターの載る付帯音が無くあくまで自然な感じで静けさの中から音楽がくっきりと浮かび上がり
ます。かつてのAC-1やAC-2はややドンシャリ的であまさのある思い出があるんですが、このAC-5は現代のナチュラルさを持ち長時間存分に音楽に浸れるカートリッジではないかと思います。
満を持して発売しただけに品位のあるすばらしいカートリッジです。
-2011.1-